国内MBA予備校アガルートをフルカリキュラムで利用した感想

国内MBA

2021年の春にアガルートの国内MBA講座に入会し、フルカリキュラムを受講しました。結果として2022年に第一希望の大学院に入学することができました。

これから国内MBAを受験される方、予備校を検討している方のために、私が国内MBA予備校としてアガルートを利用した感想を述べていきたいと思います。

 

総論「及第点」

総合的な感想を一言で言うと「及第点」という感じです。

私は、第一志望の大学院に合格することができました。しかし到達地点から振り返ってみると、アガルートのカリキュラムだけではダメだっただろうな、と思う部分がありました。30万円以上の支払いに対するリターンがあったかというとやや疑問です。100点満点で言えば、及第点の60点ぐらいです。

アガルートなしでは合格できなかっただろうけど、アガルートだけでは合格できなかっただろうな、という一文に集約されます。「アガルート」の部分は、他予備校でも代替可能なのではないか、という気もします(比較していないのでわかりませんが)。

以下では個別のカリキュラムについて述べていきます。

 

経営学基礎講座

アガルートの看板講師である飯野先生が、テキストに基づいて経営学の基礎を解説していきます。すべてオンラインでの講義です。テキストは読みやすく、語り口も軽妙なので、非常に楽しく受講することができます。

ただし、経営学の「基礎」なので、この講座でカバーしきれていない理論はとてもたくさんあります。経営学のすべての理論をカバーする講義は無理なので仕方のないことですが、経営学の知識を深めに問う大学院などの筆記試験には対応できません。

私は経営学の基礎講座を受けた上で、以下のテキストを自分で購入して勉強しました。

  • 沼上幹『一橋MBA戦略ケースブック』
  • 沼上幹『組織戦略の考え方』
  • 沼上幹『ゼロからわかる経営戦略』
  • 入山章栄『世界標準の経営理論』
  • 入山章栄『世界の経営学者はいま何を考えているのか』
  • 高尾義明『はじめての経営組織論』
  • 金井 壽宏『経営組織』
  • 工藤美千尋『大学院に合格できる! 研究計画書 書き方実践講座』
  • 吉岡友治『大学院・大学編入学 社会人入試の小論文 改訂版 思考のメソッドとまとめ方』

 

研究計画書添削

研究計画書添削サービスは比較的良かったです。何度でも添削可能なので、納得のいくまで研究計画書の推敲ができます。私は6回ほど書類のやり取りをして、初回に提出した文章から相当なクオリティアップができたと感じています。

しかし、研究計画書は可能であれば複数の人に見てもらった方が良いと考えたため、私はMBAホルダーの方と、MBA現役生の2人に追加で見てもらいました(もちろん有料で)。結果として、アガルートで完成した研究計画書から一部手直しして、さらにクオリティを上げることができました。

最終的な感想としては、アガルート添削の最終稿はまだ詰めが甘かったかなと思うところもあり、確実な合格ラインのクオリティにするためには、アガルートだけでは足りなかったかな、と思います。

 

小論文添削

小論文の添削は、講座共通の小論文添削が7回、大学院別の小論文添削が6回です。これは、割とよかったです。添削自体がよかったというより、添削サービスがあることによって、疑似試験的なマインドで小論文と対峙することができた、という経験が良かったです。

自分で書いて読み直す、という作業は正直つまらないので、「書いたものを他人に読んでもらう」というプロセスが後ろに控えていると、実を入れて小論文に取り組むことができます。この経験を大学院別も併せて13回もやると、自然と力はついてきます。

小論文執筆は論理的思考トレーニングの基礎なので、MBAに進学した後もきっと有用です。

 

面接対策

面接対策は不十分であると感じました。

一般的な面接対策と大学院別の面接傾向講義はありますが、私の受けた大学院の講義は「面接前から合否が決まっている」という内容で、研究計画書の内容を深く理解するように、という指摘にとどまっていました。

私が一番残念だったのは、模擬面接が1回だけだったことです。

想定問答の作成や面接シミュレーションなど、自分でできることはやった上で、実戦での練習をもっと積みたかったなという気持ちが強いです。

他の予備校では模擬面接無制限のところもあるようなので、1回だけというのはあまりに心許なく、模擬面接で抽出された課題が解消されたのか検証できないまま本番に臨むことになりました。

予備校以外にもMBAホルダーの方と直接やり取りして面接を依頼する方法もありましたが、時間とコミュニケーションのコストがかかりすぎるので、そのあたりはやはり予備校にフォローしてほしかったです。

フォロー

予備校からのフォローは皆無です。

カリキュラムに申し込むとマイページで講義動画が視聴可能になり、テキストがどさっと送られてくるので、淡々と講義を消化し、小論文添削と研究計画書添削のやり取りを繰り返すだけです。

アガルートのTwitterもフォローしていましたが、飯野教授のブログ過去記事がツイートされるだけでした。アガルートのブログ記事はほとんど飯野教授が書いていると思われますが、大体はテキストに載っていることなので、受講生にとっては読んでも読まなくてもどちらでもいいと思います。

もう1つの大手国内MBA予備校では、講師の方がTwitterで国内MBA各校の出願状況や合格状況を随時発信しており、リアルタイムな情報ではそちらの方を参考にさせてもらっていました。

 

事務局対応

事務局対応は素晴らしかったです。

事務局に問い合わせをしたのは2回ありましたが、2回ともレスポンスも早く、わかりやすい対応でした。

 

その他

私は秋入試で落ちて、冬入試で合格したのですが、冬入試の合格が発表される前に合格祝賀会が開催されたときは、開いた口がふさがりませんでした。
私の第一志望校だけではなく、主要国内MBA校の冬入試合格発表は未到来だったため、同じ気持ちになった受講生も多かったのではないでしょうか。

全体的なサービスを通して感じるのは、「受講生の合否にはあまり関心がない」という感じです。予備校の合格実績としては必要ですが、カリキュラム受講生が本当に合格するにはどのようなカリキュラムがいいのか、という部分にはあまりフォーカスしていないカリキュラムです。

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